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「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞作品賞・監督賞などを受賞したギレルモ・デル・トロが、監督・脚本を務めたダーク・ファンタジー。
内戦時のスペインを舞台に、悲惨な現実から逃れるように不思議な世界に踏み込んでいく少女の姿を描き高い評価を得た映画「パンズ・ラビリンス」
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映画「パンズ・ラビリンス」の作品情報・あらすじ・感想
パンズ・ラビリンスはアメリカ・メキシコ・スペインが製作したファンタジー映画で、日本では2007年に公開されました。
本作は世界各国でアカデミー賞を含む数々の映画賞を受賞しており、高く評価されています。
内戦が行われるスペインを舞台にする一方、おとぎ話や児童文学をモチーフにしています。
監督・脚本は本作及び「シェイプ・オブ・ウォーター」などでアカデミー賞など数々の映画賞を受賞したギレルモ・デル・トロ。
スペインの内戦を舞台に製作されたデル・トロ監督の映画は「デビルズ・バックボーン」に続いて2作目です。
出演はイバナ・バケロ、ダグ・ジョーンズ、セルジ・ロペスなど。
内戦中のスペイン、絶望の中にいる薄幸の少女は、現れた牧神におとぎの国の王女として迎えられるというストーリー。
タイトルにある「パン」はギリシア神話の牧羊神を指しており、悪魔の意匠も取り入れた羊を模したキャラクターが登場するダークファンタジーです。
本作はハリウッド大作ほどの予算がありませんでした。
そのため、ギレルモ・デル・トロ監督は監督としての報酬や利益配分をすべて放棄し、作品を完成させることを優先しました。
本人も後に「それだけの価値があった」と語っています。
複数の映画会社から、「英語作品にすれば予算を倍にする」という提案がありました。
しかしデル・トロ監督は、スペイン内戦後という舞台設定や作品の世界観を守るため、スペイン語作品として制作することを貫きました。
デル・トロ監督は、映画のアイデアをイラスト付きのノートにまとめることを習慣にしてきました。
ところが、「パンズ・ラビリンス」の構想を何年も書きためたノートをタクシーに置き忘れてしまいました。
幸運にも運転手がノートを見つけ、苦労して監督の元へ届けてくれたため、作品制作は続行できました。
監督は「映画を作る運命だったのだと思った」と振り返っています。
神秘的なパン(ファウノ)と、映画史に残る恐怖の怪物ペイルマンは、どちらも俳優ダグ・ジョーンズが演じています。
長時間に及ぶ特殊メイクにもかかわらず、細かな仕草や歩き方だけでまったく異なるキャラクターを演じ分けました。
ダグ・ジョーンズはスペイン語を話せませんでしたが、撮影ではスペイン語のセリフを丸暗記して演技を行いました。
最終的な声はスペイン人俳優によって吹き替えられていますが、口の動きを自然にするため、発音まで徹底的に練習したそうです。
デル・トロ監督はCGだけに頼ることを好まず、本作でも「ファウノ」「ペイルマン」「巨大ガエル」などは特殊メイクや着ぐるみ、アニマトロニクスを中心に制作されました。
そのため、20年近く経った今でも古さを感じさせない独特の質感を保っています。
ペイルマンが妖精を食べるシーンは、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの代表作『我が子を食らうサトゥルヌス』へのオマージュです。
デル・トロ監督自身も、この絵画から着想を得たことを認めています。
2006年のカンヌ国際映画祭で上映された際には、約22分間に及ぶスタンディングオベーションが続き、映画祭史上でも屈指の長さとして語り継がれています。
2026年には20周年を記念した4K修復版もカンヌで上映されました。
映画は世界的な成功を収めましたが、デル・トロ監督は20周年イベントで、「『パンズ・ラビリンス』は人生で2番目につらい映画制作だった」と語っています。
資金調達や撮影、ポストプロダクションまで数々の困難がありましたが、それでも完成させたことを誇りに思っているそうです。
映画「パンズ・ラビリンス」のあらすじ
スペインは軍とゲリラの内戦が行われている。
内戦によって仕立て屋の父親を亡くした少女オフェリアは、母が再婚した新しい父親である陸軍のビダル大尉に呼ばれて、妊娠中の母親と共に森の中にある軍の砦へ移り住もうとしていた。
砦に向かう最中、オフェリアは車の中でおとぎ話を読んでいた。
途中で気分が悪くなった母のために停車し、オフェリアは森の中へ入る。
すると目の形の模様がある石を拾い、目が欠けている石碑を見つけた。
オフェリアが目をはめ込んでやると、ナナフシが現れて飛び回る。
オフェリアは母に呼ばれて車に戻った。
その夜、砦に着いて母親と一緒に眠っていたオフェリアは、昼に出会ったナナフシが部屋の中にいるのを見つけた。
オフェリアはナナフシに導かれて、入ってはいけないと聞かされていた迷宮へ足を踏み入れる。
地下へ向かうと石柱が並ぶ空間に辿り着き、そこで迷宮の番人であるパンに出会った。
オフェリアを見たパンは、彼女こそ地下の王国の姫君だと言う。
地下の王国に迎えたいのだが、完全な人間になってしまっていないかを確かめるため、三つの試練に挑戦することになる。
パンはひとりで読むようにと言って一冊の本をオフェリアに渡した。
オフェリアは現在の状況に不満を抱えるようになった。
新しい父親は自己中心的な人物で、自分の子供は自分の傍で生まれなければならないと考え、母親を呼び寄せたのだ。
その後も父親の関心は生まれてくる子供にばかり向けられ、母親も父親の意向を常に気にしてばかりいる。
両親からの愛が感じられず、孤独を覚えていたオフェリアが心を許せるのは家政婦のメルセデスだけだった。
しかし彼女は実は、レジスタンス運動に身を投じる弟を案じており、ビダル大尉を欺いて密かに協力しているのを知ってしまう。
逃げ出したくなったオフェリアはビダルが開く晩餐会を抜けだし、本に従い、ひとつ目の試練へ挑むことにする。
しかし、彼女が幻想の世界を訪れている間も、ビダルによるレジスタンス掃討は進んでいて、オフェリアに与える影響は小さなものではなかった。
映画「パンズ・ラビリンス」の感想
壮絶な内戦が展開される時代と場所で、悲惨な現実と幻想的な世界を行き来するストーリーは、美しくも恐ろしい雰囲気が漂います。
軍人が多く登場するとはいえ、人間の恐ろしい部分を感じられるシーンを目の当たりにする他、幻想的な世界の住人もどこか不気味で、美しいものばかりの作品ではありません。
しかし、だからこそ惹きつけられるともいえ、ダークファンタジーや暗い雰囲気を持つおとぎ話が好きな方にはとても楽しめる作品でしょう。
内容は人間の性や生き方、想像力について考えさせられるもので、特に想像の余地を与える流れとエンディングは印象的です。
主人公のオフェリアは最後にどうなったのか。
ハッピーエンドともバッドエンドとも取れる内容は見る人によって感想が違うでしょうが、それが魅力です。
何が現実で何が幻想か。
ラストシーンをどう思うのかは、見た人の想像力次第です。
奇妙で不思議で少し怖い、デル・トロ監督らしい作風と言うか、「シェイプ・オブ・ウォーター」に通ずる何かを感じることができるのではないでしょうか。
映画「パンズ・ラビリンス」のスタッフ
監督:ギレルモ・デル・トロ
製作:アルフォンソ・キュアロン、ベルサ・ナヴァロ、ギレルモ・デル・トロ、フリーダ・トレスブランコ、アルバロ・アウグスティン
製作総指揮:ベレン・アティエンサ、エレナ・マンリケ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
プロダクションデザイン:エウヘニオ・カバイェーロ
衣装デザイン:ララ・ウエテ
編集:ベルナ・ビラプラーナ
音楽:ハビエル・ナバレテ
映画「パンズ・ラビリンス」のキャスト※()内は日本語吹き替え版キャスト
オフェリア:イバナ・バケロ(宇山玲加)
ビダル:セルジ・ロペス(諸角憲一)
メルセデス:マリベル・ベルドゥ(塩田朋子)
パン/ペイルマン:ダグ・ジョーンズ(山口りゅう)
カルメン:アリアドナ・ヒル(瀬尾恵子)
フェレイロ医師:アレックス・アングロ(伊藤和晃)
ペドロ:ロジェ・カサマジョール
マノロ・ソロ
セサール・ベア
エウセビオ・ラサロ
パコ・ビダル
フェデリコ・ルッピ
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映画「パンズ・ラビリンス」の関連作品
監督:ギレルモ・デル・トロのその他の作品
ホビット 思いがけない冒険 (2012)
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロ
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ他

パシフィック・リム (2013)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム、イドリス・エルバ、菊地凛子他

ホビット 竜に奪われた王国 (2013)
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロ
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ他

ホビット 決戦のゆくえ (2014)
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロ
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ他

シェイプ・オブ・ウォーター(2017)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス他
アカデミー賞など数多くの映画賞を受賞した作品。
半魚人のような異形の存在とイライザは心を通わせていく。

魔女がいっぱい (2020)
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス、ケニヤ・バリス、ギレルモ・デル・トロ
出演:アン・ハサウェイ、オクタヴィア・スペンサー、スタンリー・トゥッチ他
ロアルド・ダール作の児童文学を映画化。
ギレルモ・デル・トロが脚本で参加している。
ナイトメア・アリー (2021)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット他

出演:マリベル・ベルドゥのその他の作品
ブランカニエベス(2012)
監督:パブロ・ベルヘル
出演:マカレナ・ガルシア、ソフィア・オリア、マリベル・ベルドゥ他
白黒サイレントで描かれた童話「白雪姫」を基にした映画。
ゴヤ賞で作品賞など、数々の受賞をした。
ザ・フラッシュ (2023)
監督:アンディ・ムスキエティ
出演:エズラ・ミラー、サッシャ・カジェ、マイケル・シャノン、マリベル・ベルドゥ他

出演:ダグ・ジョーンズのその他の作品
バイバイマン(2017)
監督:ステイシー・タイトル
出演:ダグラス・スミス、ルシエン・ラヴィスカウント、クレシダ・ボナス、ダグ・ジョーンズ他
バイバイマンという噂を巡って次々に怪事件が起こる。
本作でパンを演じたダグ・ジョーンズがバイバイマンを演じている。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
調べてみたところ、映画「パンズ・ラビリンス」吹き替えフル動画を無料お試しレンタル料金不要で見られる動画配信サービスは現在ありませんでした。配信が開始されましたらすぐにお知らせします。
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