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映画「20世紀少年　―第１章―　終わりの始まり」の作品情報・あらすじ

浦沢直樹さんの長編漫画「２０世紀少年」の実写映画化作品です。
全３作品になっており、本作品は初回作品になります。

不気味な新興宗教集団が世界制服を企む中、冴えない中年男・ケンヂが小学校の同級生たちと地球を救うために奮闘するＳＦサスペンス映画です。

人気漫画家浦沢直樹さんの作品の実写化とあって、公開前から注目を集めました。

演技派俳優である唐沢寿明さんを主演に迎え、豊川悦司さんや常盤貴子さんら豪華俳優陣が揃っています。
監督は数々のヒット作を手がけている堤幸彦さんが務めました。

大阪万博など昭和をテーマとしたノスタルジックな世界観かつ、邦画とは思えないかつてない規模で繰り広げられるストーリーは見どころ満載です。

原作者・浦沢直樹氏は「映画では画角や物の配置など、原作漫画の構図を徹底的に再現した。なので漫画と同じ構図だ！という映像が多数ある」と語っています。
ただし、例外として「第3部」のラスト約10分間は原作の画（原画）を元にしておらず、監督・堤幸彦氏の“映画的な”演出が色濃く出ているとのこと。
浦沢氏は「最後の10分間は、突然“堤映画”になる。10分間は漫画を基にしていないから」と語っています。
この点は、原作ファンにとって「おっ」と思える改変ポイントでもあります。
実写化でほぼ忠実に再現してきた中で、あえて余地を残した演出というわけです。

脚色・映像化にあたっては、企画・脚本を務めた長崎尚志氏が「ストーリーに、子供時代と大人時代がある。しかも大人時代は97年と未来があり、錯綜している。さらに突然ロボットが東京を破壊する。映像化はかなり難しかった」と語っており、制作側のプレッシャーの大きさもうかがえます。

撮影・制作段階でも「野外ロックコンサート」シーンなど、大人数エキストラを動員した大規模ロケが行われました。
例えば第1章のロケでは、千葉・千葉みなと駅周辺で数万人規模の参加者を募集したとの情報があります。

大スケールゆえ、キャスティング、VFX・特撮、美術セット、時代描写（1960～2000年代まで）にわたって、膨大な制作ラインを組む必要がありました。
長崎氏も「脚色には実に6年も費やした」という旨を語っています。

第2章（公開は2009年1月31日）では、原作を忠実に追う部分が多かった第1章から少し変化し、“映画オリジナルの展開”も登場しました。
例えば、原作にないエピソードや時間軸の調整が行われています。
こうした改変は、原作連載時期や完結時期、映画の尺・構成を考慮した上でのものとされ、「原作ファンも納得できる再現度」を目指しつつ「映画として観せる」ためのアレンジが意図されていました。

映画化が発表された時から大きな話題となった、マスクを被った“ともだち教”や「よげんの書」など、原作の象徴的ビジュアルが実写でも忠実に再現されています。
浦沢氏が構図までコピーされたと語る通り、美術・衣装・小物にもこだわりがあり、観客からは「コスプレ大会だった」という感想も出ています。

映画化企画の始動は、漫画の連載開始（1999年）当時から提案があったものの、当時は連載初期で展開も不透明ということで一旦見送られていました。
プロデューサー・飯沼伸之氏によると、2004～05年ごろになって「映画化してもよい」という流れができ、そこで3部作という企画が本格的に動き始めたとのことです。

映画「20世紀少年　―第１章―　終わりの始まり」のあらすじ

時は１９６９年。

翌年に大阪万博を控えたこの年、小学生のケンヂは仲間たちと一緒に秘密基地で遊んでいました。
彼らは「よげんの書」というものを作り、悪の組織が地球を滅ぼしにやってきて、それを正義の味方が成敗するというストーリーを妄想して楽しんでいました。

さて、時は１９９７年に移ります。

小学校の頃には人気者だったケンヂは、今では冴えないおじさんになっていました。
突然行方不明になってしまった姉が置いていった姪っ子カンナを育てながら、コンビニを経営しています。

この頃世界では、アフリカで原因不明の病気が流行っていました。
それに罹った者は全身から血を流して死んでしまうという恐ろしい病気です。
今日もテレビのニュースでは、この伝染病についての報道がされていました。

そんなある日、ケンヂのもとへ警察がやってきて「敷島一家が失踪したが何か知らないか」と尋ねてきました。
敷島教授はケンヂのお得意様のことでしたが、訳を聞いてみると、どうやら夫妻の娘が最近とある宗教団体にはまってしまい、そのことが失踪と何か関係があるのではないかと考えられているようです。

心配になったケンヂは敷島家を訪ねてみましたが、家には誰もいませんでした。
しかし、家の壁にどこかで見たことのあるようなマーク(目の中に指人差し指が入っているポーズのマーク)を見つけます。

このマークに既視感を覚えるものの、どこで見たのか思い出すことできずにモヤモヤするケンヂ。
そして、結局敷島一家は見つからず、マークが何なのかも思い出せないまま彼は帰宅しました。

敷島一家が行方不明のまま数日経ったある日、ケンヂは小学校の同窓会に参加します。
すると、友達から「近頃よく聞く”ともだち”という宗教団体の教祖はケンヂではないか？」と冗談めかして聞かれます。

詳しく聞いてみると、近年”ともだち”という怪しい宗教団体が活動を活発化させているというのです。
その宗教のシンボルマークは、ケンヂが敷島宅で見たものと同じものでした。

そして、それが昔ケンヂたちが作った「よげんの書」に登場するマークと同じであることを思い出します。

実際にその”ともだち”の周りでは怪しげな事件が次々と起きていました。
そして、不気味なことにそれらの事件は、よげんの書に書かれていた事件の内容と酷似していたのです。

つまり、もしこのまま「よげんの書」に書かれたことをたどるのであれば、世界の未来は絶望的なものとなってしまうことに気づくケンヂたち。

こうしてケンヂは、同窓会で再会したかつての仲間と共に、世界を救うために”ともだち”に立ち向かおうと決意します。

ケンヂたちがよげんの書に書いた「せかいめつぼう」の日は２０００年１２月１日でした。
この日に”ともだち”が何かしら仕掛けてくるのではないかと思った彼らは、秘密裏に準備をしていきます。

しかし、ケンヂらが準備をしていることを察した”ともだち”は、その発言力を生かしてケンヂらを世界滅亡の首謀者に仕立て上げました。
ケンヂたちは打倒”ともだち”に向けて準備をしつつ、世間から隠れながら過ごす生活を余儀なくされてしまいます。

そんな中迎えた運命の当日。
なんと東京に大きなロボットが現れました。

ロボットはその巨体で街を破壊し、そして更に人間を殺すウイルスをまき散らしていきました。
ウイルスに感染してしまった人間は、血を流してどんどん死んでいきます。
それはまるでアフリカで話題となった伝染病のようです。

世界を救うために準備をしていたケンヂたちでしたが、あまりの凄惨さに手も足もでません。

果たしてともだちとは誰なのか、世界滅亡の目的はなんなのか？
そして、ケンヂらは地球を無事救うことができるのでしょうか？

次作に続きます。

映画「20世紀少年　―第１章―　終わりの始まり」のスタッフ

監督：堤幸彦
製作：堀越徹、亀井修、島谷能成、平井文宏、西垣慎一郎、島本雄二、大月昇、和田倉和利、長坂信人、板橋徹
企画：長崎尚志
製作指揮：島田洋一
エグゼクティブプロデューサー：奥田誠治
プロデューサー：飯沼伸之、甘木モリオ、市山竜次
原作：浦沢直樹
脚本：福田靖、長崎尚志、浦沢直樹、渡辺雄介
撮影：唐沢悟
美術：相馬直樹
衣装：川崎健二
編集：伊藤伸行
音楽監督：白井良明
音響効果：北田雅也
音楽：白井良明、長谷部徹、AudioHighs、浦沢直樹
主題歌：T・レックス「20th Century Boy」
照明：木村明生
録音：鴇田満男
ＶＦＸスーパーバイザー：野崎宏二

映画「20世紀少年　―第１章―　終わりの始まり」のキャスト

ケンヂ：唐沢寿明
オッチョ：豊川悦司
ユキジ：常盤貴子
ヨシツネ：香川照之
マルオ：石塚英彦
モンちゃん：宇梶剛士
ケロヨン：宮迫博之
ドンキー：生瀬勝久
ヤマネ：小日向文世
フクベエ：佐々木蔵之介
ヤン坊・マー坊：佐野史郎
漫画家・角田：森山未來
諸星：津田寛治
友民党CMのタレント：藤井隆
友民党CMのタレント：山田花子
田村マサオ：ARATA
敷島ミカ：片瀬那奈
アルバイトの店員・エリカ：池脇千鶴
カンナ：平愛梨
敷島ゼミの学生：鈴木崇大
敷島ゼミの学生：三浦敏和
スクーターの若い男：中田敦彦
スクーターの若い男：藤森慎吾
ケンヂの同級生：藤井フミヤ
ロックバンドのボーカル：及川光博
遠藤チヨ：石井トミコ
ピエール一文字：竹中直人
ヤマさん：光石研
ケンヂの同級生：石橋保
コンビニの本部教職員：徳井優
ケンヂの同級生：入江雅人
市原節子：竹内都子
木戸美津子：洞口依子
血まみれの男：遠藤憲一
ケンヂの同級生：布川敏和
オリコー商会の社長：ベンガル
田村泰二郎
横山あきお
不破万作
ナイトメア
（写真）：田中健
ジジババ：研ナオコ
チョーさん：竜雷太
諸星の母：吉行和子
ケンジ（子供時代）：西山潤
ユキジ（子供時代）：松元環季
マルオ（子供時代）：安西壱哉
モンちゃん（子供時代）：矢野太一
ヤン坊・マー坊（子供時代）：山田清貴
フクベエ（子供時代）：上原陸
オッチョ（子供時代）：澤畠流星
ヨシツネ（子供時代）：小倉史也
ドンキー（子供時代）：吉井克斗
ケロヨン（子供時代）：森山拓哉
コンチ（子供時代）：清水歩輝
ケンジ（中学時代）：田辺修斗
デーブ・スペクター
宮崎哲弥
ダンディ坂野
瀬戸陽一朗
平山祐介
木下優樹菜
辻修
岩尾万太郎
吉永秀平
西永貴文
阿藤快
柳生みゆ
畠山彩奈
万丈目胤舟：石橋蓮司
神様：中村嘉葎雄
キリコ：黒木瞳

声の出演
中村正

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映画「20世紀少年　―第１章―　終わりの始まり」の関連作品

２０世紀少年＜第２章＞最後の希望 (2008)
監督：堤幸彦
出演：豊川悦司、常盤貴子、平愛梨他
あのロボット襲撃の日から１５年。
ケンヂの姪っ子であるカンナを主役に描かれたストーリーです。
カンナは、濡れ衣を着せられたまま逃亡している叔父ケンヂを救うべく、ともだちの正体を調べようと奮闘します。

２０世紀少年＜最終章＞ぼくらの旗 (2009)
監督：堤幸彦
出演：唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子他
３部作であった「２０世紀少年」の最終章です。
ついにともだちの正体が明かされます。
原作とは少し違うラストも必見です。

監督：堤幸彦のその他の作品

トリック　劇場版 (2002)
監督：堤幸彦
出演：仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久他

トリック　劇場版２ (2006)
監督：堤幸彦
出演：仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久他

劇場版TRICK　霊能力者バトルロイヤル (2010)
監督：堤幸彦
出演：仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、佐藤健他

劇場版ＳＰＥＣ～天～　警視庁公安部公安第五課　未詳事件特別対策係事件簿 (2012)
監督：堤幸彦
出演：戸田恵梨香、加瀬亮、福田沙紀他

悼む人 (2014)
監督：堤幸彦
出演：高良健吾、石田ゆり子、井浦新、麻生祐未他

イニシエーション・ラブ (2015)
監督：堤幸彦
出演：松田翔太、前田敦子、木村文乃他

天空の蜂 (2015)
監督：堤幸彦
出演：江口洋介、仲間由紀恵、綾野剛他

十二人の死にたい子どもたち (2018)
監督：堤幸彦
出演：杉咲花、新田真剣佑、北村匠海他
冲方丁の小説を原作とする作品。
集団安楽死をするため廃病院に集まった12人の少年少女たち。
だが、彼らはそこに亡くなったばかりの少年を発見して…。

望み（2020）
監督:堤幸彦　
出演:岡田健史、堤真一、石田ゆり子、清原果耶、市毛良枝他

ファーストラヴ (2021)
監督：堤幸彦
出演：北川景子、中村倫也、芳根京子他

夏目アラタの結婚 (2024)
監督：堤幸彦
出演：柳楽優弥、黒島結菜、中川大志他

出演：豊川悦司のその他の作品

Love Letter (1995)
監督：岩井俊二
出演：中山美穂、豊川悦司、酒井美紀他

妖怪大戦争 (2005)
監督：三池崇史
出演：神木隆之介、宮迫博之、南果歩、豊川悦司他

プラチナデータ (2012)
監督：大友啓史
出演：二宮和也、豊川悦司、鈴木保奈美他

ジャッジ！ (2013)
監督：永井聡
出演：妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、豊川悦司他

３月のライオン　前編 (2017)
監督：大友啓史
出演：神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、豊川悦司他

ラプラスの魔女 (2018)
監督：三池崇史
出演：櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰他

のみとり侍 (2018)
監督：鶴橋康夫
出演：阿部寛、寺島しのぶ、豊川悦司他

サムライマラソン (2018)
監督：バーナード・ローズ
出演：佐藤健、小松菜奈、森山未來、豊川悦司他

ラストレター (2019)
監督：岩井俊二
出演：松たか子、広瀬すず、庵野秀明、豊川悦司他

ミッドウェイ (2019)
監督：ローランド・エメリッヒ
出演：エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ウディ・ハレルソン、豊川悦司他
太平洋戦争の勝敗に大きな影響を与えた「ミッドウェイ海戦」。
その戦いに関わった日米軍人の姿を最新の歴史研究を基に描いた作品。

鳩の撃退法 (2021)
監督：タカハタ秀太
出演：藤原竜也、土屋太鳳、風間俊介、豊川悦司、濱田岳他

キングダム２遥かなる大地へ (2022)
監督：佐藤信介
出演：山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、豊川悦司他

リボルバー・リリー (2023)
監督：行定勲
出演：綾瀬はるか、長谷川博己、羽村仁成、豊川悦司他

出演：香川照之のその他の作品

嫌われ松子の一生 (2006)
監督：中島哲也
出演：中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之他

憑神（つきがみ） (2007)
監督：降旗康男
出演：妻夫木聡、夏木マリ、佐々木蔵之介、香川照之他

カイジ　人生逆転ゲーム (2009)
監督：佐藤東弥
出演：藤原竜也、天海祐希、香川照之他

ＳＰ　野望篇 (2010)
監督：波多野貴文
出演：岡田准一、真木よう子、香川照之他

カイジ２～人生奪回ゲーム～ (2011)
監督：佐藤東弥
出演：藤原竜也、伊勢谷友介、吉高由里子、香川照之他

るろうに剣心 (2012)
監督：大友啓史
出演：佐藤健、武井咲、吉川晃司、青木崇高、蒼井優、江口洋介、香川照之他

鍵泥棒のメソッド (2012)
監督：内田けんじ
出演：堺雅人、香川照之、広末涼子他

クリーピー　偽りの隣人 (2016)
監督：黒沢清
出演：西島秀俊、竹内結子、川口春奈、香川照之他
前川裕のミステリー小説を原作とする作品。
郊外の一軒家に引っ越した元刑事で犯罪心理学者の高倉。
だが、隣家の主・西野は不審な言動をする不気味な男で…。

七つの会議 (2018)
監督：福澤克雄
出演：野村萬斎、香川照之、及川光博他

99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE (2021)
監督：木村ひさし
出演：松本潤、香川照之、杉咲花、西島秀俊他

出演：小日向文世のその他の作品

仄暗い水の底から (2001)
監督：中田秀夫
出演：黒木瞳、小日向文世、小木茂光他

ALWAYS　三丁目の夕日 (2005)
監督：山崎貴
出演：吉岡秀隆、堤真一、小雪、小日向文世他

ザ・マジックアワー (2008)
監督：三谷幸喜
出演：佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、小日向文世他

ハッピーフライト (2008)
監督：矢口史靖
出演：田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、小日向文世他

ステキな金縛り (2010)
監督：三谷幸喜
出演：深津絵里、西田敏行、阿部寛、佐藤浩市、小日向文世他

清須会議 (2013)
監督：三谷幸喜
出演：役所広司、大泉洋、小日向文世、浅野忠信、妻夫木聡他

予告犯 (2015)
監督：中村義洋
出演：生田斗真、戸田恵梨香、鈴木亮平、小日向文世他

サバイバルファミリー (2017)
監督：矢口史靖
出演：小日向文世、深津絵里、泉澤祐希他

ミックス。 (2017)
監督：石川淳一
出演：新垣結衣、瑛太、広末涼子、小日向文世他

鋼の錬金術師 (2017)
監督：曽利文彦
出演：山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、小日向文世他

マスカレード・ホテル (2018)
監督：鈴木雅之
出演：木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世他

コンフィデンスマンＪＰ (2019)
監督：田中亮
出演：長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世他
古沢良太のオリジナル脚本による人気TVドラマの劇場版。
ダー子たちコンフィデンスマン（＝信用詐欺師）のチームは、伝説のパープルダイヤを狙い香港マフィアの女帝ラン・リウに接近しようとするが…。