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スティーヴ・ムーアによるコミックを原作として、ギリシャ神話の英雄・ヘラクレスをアメリカで絶大な人気を誇るドウェイン・ジョンソンが演じたアクション映画「ヘラクレス」
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映画「ヘラクレス」2014年版の作品情報・あらすじ・感想
映画「ヘラクレス」は、ギリシャ神話に登場するヘラクレスを主人公としたアクションアドベンチャー映画です。
1958年にイタリアで製作されたものとは異なり、2014年にアメリカで製作されました。
監督は映画「ラッシュアワー」シリーズや「X-MEN: ファイナル ディシジョン」などのブレット・ラトナー。
出演は「ワイルドスピード」シリーズのドウェイン・ジョンソン、「ジョン・ウィックシリーズ」のイアン・マクシェーン、「ミッドナイト・エクスプレス」や「エイリアン」のジョン・ハートなどです。
本作はスティーブ・ムーア原作のコミックを映画化した作品であり、ギリシャ神話のヘラクレスの物語とは内容が異なります。
本作はハンガリーのブダペスト近郊、オリジオ・スタジオで撮影され、多くのサウンドステージと大きなバックロットを使用して巨大なセットが組まれました。
特に「トラキアのベッシ族」の村、「王宮の中庭の城塞」、「監獄の地下牢」などのセットは、素材や雰囲気、質感にこだわって造られており、単なる背景ではなく“息をしている”場所のように見せることを重視していたようです。
たとえば木・石・泥を使った建築感、土埃、腐敗した感じの臭いまで想像できるような質感を意図していたといわれています。
ドウェイン・ジョンソン演じるヘラクレスは毎日4時間以上のメイク時間を要していて、戦いの傷（刃での切り傷、爪傷、牙のあたりの傷など）や動物による歯の効果など、肉体的なリアリティを出す工夫がされていました。
また、ヤクの“ある部位”の毛（“ヤクの睾丸”の毛、という表現もあります）が偽のひげ（プロテーゼのひげ）に使われた、という話があります。
ジョンソン自身がそのプロップ・ベアード（偽ひげ）に関してこの素材が使われていると聞いたとき、「マジかよ…」という反応をしたとのこと。
本作の役作りのために、ジョンソンは8か月にも及ぶトレーニングを行いました。
体格だけでなく動きや戦闘アクションに耐えられるフィットネスを作る必要があったようです。
特に「鎖から解放されるシーン」では、本物の鋼鉄の鎖（本来なら壊せないようなもの）で縛られた状態で撮影を行い、ジョンソンはそのシーンを何回も演じるうちに「気絶」するほどの肉体的・精神的負荷を感じたと語っています。
演出のリアリティに対するこだわりのひとつです。
原作および一般のヘラクレス神話と比べて、かなり“現実的な”解釈や改変が多くあります。
超自然的な要素が薄くされており、神や魔物といった存在はあまり幻想的には扱われていません。
伝説／神話というよりも、英雄譚を借りて人間ドラマを描く方向性が強いという評価があります。
伝統的な「十二の功業（Twelve Labours）」は前日譚／背景として語られる形で、本編の中心にはなっていません。
つまり、その伝説のハイライトはプロローグや語り部的な扱いです。
馬を使ったシーンが多く、スタントライダーや経験のある俳優を使った撮影が行われました。
馬の「立ち上がる」「レイング（落馬）」「荷を引く」などの動きもうまく制御されたうえで撮影されています。
また、暑さ・動物福祉の観点から、馬には日陰を提供したり、水をかけたりして休憩を入れたりという配慮もあったとのこと。
劇中で王ユーレステウス（Eurystheus）が孔雀を世話しているというシーンがあり、これはヘラ神に対する象徴（孔雀はヘラの神聖な鳥）としての伏線になっていて、本作の物語上の“敵意”や動機の暗示になっているとの指摘があります。
映画「ヘラクレス」2014年版のあらすじ
ある時、人間の女性アルクメーネーが子供を産んだ。
全能の神、ゼウスの血を受け継ぐとされるヘラクレスは半分が神、半分が人間の血をひいているといわれていた。
嫉妬したゼウスの妻であり女神、ヘラが二匹の毒蛇を送り込んで彼を亡き者にしようとすると、幼いヘラクレスは逆に蛇をやっつけてしまうほど、強い力と強靭な肉体を持っていた。
成長したヘラクレスは各地の魔物と戦い、水辺に住む複数の頭を持つ蛇や、家より大きな猪、獰猛なライオンなどを倒し、これらの偉業は“12の難行”と言われ、広く知られるようになっていた。
実はこの話は甥のイオラオスが広めた作り話で、ヘラクレスは強靭な肉体と怪力を持っているものの、神の子ではなかった。
傭兵として戦場を渡り歩くヘラクレスの傍には、預言者のアムピオラス、幼馴染のアウトリュコス、甥のイオラオスなどがいた。
ある日、道を歩く傭兵たちの前にひとりの女性がやってきて、トラキアの国を守ってほしいと頼む。
彼女はコテュス王の娘の王女・ユージニアであり、とんでもない報酬をもらえると知った一行はトラキアへ向かうことを決断した。
王に謁見したヘラクレス一行は、国の脅威であるケンタウロスを倒してほしいと頼まれる。
しかし、トラキアの軍隊はこれまでの戦いで疲弊した状態であり、すぐに動けるのは寄せ集めの農民ばかり。
ヘラクレスは農民を鍛えようとするのだが、敵が国内のある村に接近していることを知ったコテュス王は自ら兵を率いて出陣する。
到着した時、村はすでに壊滅しており、凄惨な光景が広がっていた。
その時、死体に扮して待ち構えていた蛮族が突如として起きあがり、トラキアの軍隊は包囲されてしまう。
戦闘が始まり、戦いに慣れていない農民たちには多くの被害が出て、ヘラクレスたちの活躍によってなんとか敵を退けることには成功するも、出陣した兵のおよそ半数が戦死していた。
このままでは戦い続けることはできない。
一行は国に戻り、ヘラクレスが訓練不足なのに出陣したコテュス王に不満を訴えたことで、ケンタウロスに立ち向かうべく改めて兵士の訓練を始めることになった。
準備が整い、ついに出陣したヘラクレス一行とトラキアの軍隊だったが、ケンタウロスと聞かされていた彼らの敵は、馬に跨っているただの人間だった。
違和感を覚えた彼らはやがてコテュス王の行いについて知らされるのだが……。
映画「ヘラクレス」2014年版の感想
ドウェイン・ジョンソンの肉体美が活かされたヘラクレスはとにかくかっこいい。
パワフルでリーダー然としていて、戦闘シーンはもちろん、指揮官として仲間を率いる姿は思わずついていきたくなってしまうほど。
いわゆる神話のエピソードは、本作では事実ではなく、口の上手い甥のイオラオスが広めたもの。
本作のメインになるのは神話のエピソードではありませんが、オープニングでは広められた噂が映像化されていて、語りと共に流れるダイジェスト的な映像が幻想的でかっこいい。
メインになるエピソードではないとはいえ、これはこれでよかったのではないかと思います。
裏をかかれたようにヘラクレスは神の子ではなくただの（怪力と強靭な肉体を持つ）人間なのですが、だからこそ新しいヘラクレス像となった気がして、とても強いけど実際はただの人間で、怪我もするし仲間を必要とする。
けれど、だからこそ彼の人間らしい苦悩や決意が描かれ、ストーリーに引き込まれました。
映画「ヘラクレス」2014年版のスタッフ
監督：ブレット・ラトナー
製作：ボー・フリン、バリー・レヴィン、ブレット・ラトナー
製作総指揮：ロス・ファンガー、ジェシー・バーガー、ピーター・バーグ、サラ・オーブリー
原作：スティーヴ・ムーア
脚本：ライアン・Ｊ・コンダル、エヴァン・スピリオトポウロス
撮影：ダンテ・スピノッティ
視覚効果監修：ジョン・ブルーノ
プロダクションデザイン：ジャン＝ヴァンサン・ピュゾ
衣装デザイン：ジェイニー・ティーマイム
編集：マーク・ヘルフリッチ、ジュリア・ウォン
音楽：フェルナンド・ベラスケス
映画「ヘラクレス」2014年版のキャスト※（）内は日本語吹き替え版キャスト
ヘラクレス：ドウェイン・ジョンソン（楠大典）
アムピアラオス：イアン・マクシェーン（辻親八）
アウトリュコス：ルーファス・シーウェル（高木渉）
エウリュステウス王：ジョセフ・ファインズ（桐本拓哉）
コテュス王：ジョン・ハート（中博史）
ユージニア：レベッカ・ファーガソン（皆川純子）
テュデウス：アクセル・ヘニー（烏丸祐一）
アタランテ：イングリッド・ボルゾ・ベルダル（林真里花）
イオラオス：リース・リッチー（平川大輔）
レーソス：トビアス・ザンテルマン（遠藤大智）
シタクレス：ピーター・ミュラン（石住昭彦）
メガラー：イリーナ・シェイク（志田有彩）
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映画「ヘラクレス」2014年版の関連作品
監督：ブレット・ラトナーのその他の作品
レッド・ドラゴン (2002)
監督：ブレット・ラトナー
出演：アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ他
ペントハウス（2011）
監督：ブレット・ラトナー
出演：ベン・スティラー、エディ・マーフィ、ケイシー・アフレック他
ジョッシュにとって憧れの存在であったショウが横領疑惑で逮捕された。
自らの金を取り戻すべく、ジョッシュは幼馴染の泥棒スライドと共に計画を立てるが…。
出演：ドウェイン・ジョンソンのその他の作品
ハムナプトラ２／黄金のピラミッド (2001)
監督：スティーヴン・ソマーズ
出演：ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、ジョン・ハナー、ドウェイン・ジョンソン他
ワイルド・スピード MEGA MAX (2011)
監督：ジャスティン・リン
出演：ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ジョーダナ・ブリュースター、ドウェイン・ジョンソン他
ワイルド・スピード EURO MISSION (2013)
監督：ジャスティン・リン
出演：ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス他
ワイルド・スピード ＳＫＹ ＭＩＳＳＩＯＮ (2015)
監督：ジェームズ・ワン
出演：ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン他
カリフォルニア・ダウン (2015)
監督：ブラッド・ペイトン
出演：ドウェイン・ジョンソン、カーラ・グギーノ、アレクサンドラ・ダダリオ他
セントラル・インテリジェンス (2016)
監督：ローソン・マーシャル・サーバー
出演：ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハート、エイミー・ライアン他
ベイウォッチ (2017)
監督：セス・ゴードン
出演：ドウェイン・ジョンソン、ザック・エフロン、アレクサンドラ・ダダリオ他
ワイルド・スピード ＩＣＥ ＢＲＥＡＫ (2017)
監督：Ｆ・ゲイリー・グレイ
出演：ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム、ミシェル・ロドリゲス他
ジュマンジ／ウェルカム・トゥ・ジャングル (2017)
監督：ジェイク・カスダン
出演：ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケヴィン・ハート他
ランペイジ 巨獣大乱闘 (2018)
監督：ブラッド・ペイトン
出演：ドウェイン・ジョンソン、ナオミ・ハリス、マリン・アッカーマン他
ワイルド・スピード／スーパーコンボ (2019)
監督：デヴィッド・リーチ
出演：ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム、イドリス・エルバ他
ファイティング・ファミリー (2019)
監督：スティーヴン・マーチャント
出演：フローレンス・ピュー、レナ・ヘディ、ニック・フロスト、ドウェイン・ジョンソン他
プロレスラーを描く伝記映画。
製作総指揮として参加しているドウェイン・ジョンソンは、本人役で出演している。
ジュマンジ／ネクスト・レベル (2019)
監督：ジェイク・カスダン
出演：ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケヴィン・ハート他
ブラックアダム (2022)
監督：ジャウマ・コレット＝セラ
出演：ドウェイン・ジョンソン、オルディス・ホッジ、ノア・センティネオ他
ワイルド・スピード／ファイヤーブースト (2023)
監督：ルイ・ルテリエ
出演：ヴィン・ディーゼル、ジェイソン・モモア、ミシェル・ロドリゲス、ヘレン・ミレン、ドウェイン・ジョンソン他
出演：イアン・マクシェーンのその他の作品
デス・レース (2008)
監督：ポール・Ｗ・Ｓ・アンダーソン
出演：ジェイソン・ステイサム、ジョーン・アレン、イアン・マクシェーン他
スノーホワイト (2012)
監督：ルパート・サンダーズ
出演：クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース、イアン・マクシェーン他
ジョン・ウィック (2014)
出演：キアヌ・リーヴス、ミカエル・ニクヴィスト、ジョン・レグイザモ、ウィレム・デフォー、イアン・マクシェーン他
ジョン・ウィック：チャプター２ (2017)
監督：チャド・スタエルスキ
出演：キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、イアン・マクシェーン、ピーター・セラフィノウィッツ他
ジョン・ウィック：パラベラム（2019）
監督：チャド・スタエルスキ
出演：キアヌ・リーヴス、ハル・ベリー、イアン・マクシェーン他
ジョン・ウィックシリーズの3作目。
懸賞金をかけられたジョンは、命を狙われながらニューヨークを脱出するべく奔走する。
ジョン・ウィック：コンセクエンス (2023)
監督：チャド・スタエルスキ
出演：キアヌ・リーヴス、ドニー・イェン、ビル・スカルスガルド、イアン・マクシェーン他
出演：レベッカ・ファーガソンのその他の作品
ミッション：インポッシブル/ローグネイション（2015）
監督：クリストファー・マッカリー
出演：トム・クルーズ、レベッカ・ファガーソン、ジェレミー・レナ―、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス他
ライフ (2017)
監督：ダニエル・エスピノーサ
出演：ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ他
ミッション：インポッシブル／フォールアウト (2018)
監督：クリストファー・マッカリー
出演：トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、、レベッカ・ファーガソン他
メン・イン・ブラック：インターナショナル (2019)
監督：Ｆ・ゲイリー・グレイ
出演：クリス・ヘムズワース、テッサ・トンプソン、エマ・トンプソン、レベッカ・ファーガソン他
ドクター・スリープ (2019)
監督：マイク・フラナガン
出演：ユアン・マクレガー、レベッカ・ファーガソン、カイリー・カラン他
スティーヴン・キングによる「シャイニング」の続編小説を原作とする作品。
40年前の惨劇を生き延びたダニーは、ある日、同じような能力を持つ少女からのメッセージを受け取り･･･。
DUNE/デューン 砂の惑星 (2020)
監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演：ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック他
ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE (2023)
監督：クリストファー・マッカリー
出演：トム・クルーズ、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン他
デューン 砂の惑星PART2 (2024)
監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演：ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン他
出演：アクセル・ヘニーのその他の作品
オデッセイ (2015)
監督：リドリー・スコット
出演：マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、アクセル・ヘニー他
アンディ・ウィアーのSF小説「火星の人」を原作とする作品。
有人火星探査ミッションの途中の事故で、たったひとり火星に取り残された宇宙飛行士のマーク・ワトニー。
生存は絶望視されたが、あらゆる手段を使って彼は生き延びており･･･。
ドアマン (2020)
監督：北村龍平
出演：ルビー・ローズ、ジャン・レノ、伊藤英明、アクセル・ヘニー他
まとめ
いかがでしたでしょうか。
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