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20歳にして芥川賞を受賞した金原ひとみの小説を「世界のニナガワ」と呼ばれた舞台演出家・蜷川幸雄が監督し、映画初主演の吉高由里子が体当たりの演技で挑み大きな話題となった映画「蛇にピアス」

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映画「蛇にピアス」の作品情報、あらすじ、感想
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映画「蛇にピアス」の関連作品
まとめ

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映画「蛇にピアス」の作品情報、あらすじ、感想

キャッチコピーは「19歳、痛みだけがリアルなら痛みすら、私の一部になればいい。」

2008年に公開された映画「蛇にピアス」は小説家・金原ひとみの小説「蛇にピアス」を吉高由里子初主演で実写化した作品です。

同作は2004年に綿矢りさの「蹴りたい背中」とともに芥川龍之介賞を受賞し、大きな話題となりました。
20歳という若さで芥川賞を受賞した金原ひとみの話題作を、作者本人の意向で「世界のニナガワ」で知られる蜷川幸雄が監督を務め実写映画化しました。

映画「蛇にピアス」のロケ地は主に東京都内です。

渋谷区神宮前の「ボディー・エレクトリック」は、アマが働くピアスショップのモデルになった店です。
目黒区中目黒の「中目黒駅前ビル」は、ルイがアマと出会ったクラブの外観として使われました。
新宿区歌舞伎町の「新宿バルト9」は、ルイがシバと出会った映画館です。
豊島区池袋の「池袋西口公園」は、ルイとアマがキスをした場所です。

映画「蛇にピアス」は、次のような評価があります。

映画.comのレビューでは、64件の投稿の平均点は3.1点（満5点）です。痛々しく切ないストーリーや吉高由里子のインパクトのある演技に感動した人もいれば、不快感や共感できないと感じた人もいました。
Filmarksのレビューでは、1件の投稿の平均点は4.0点（満5点）です。井浦新のエロさや金原ひとみの世界観に魅了されたというコメントがあります。

映画「蛇にピアス」のあらすじ

主人公は19歳のルイ（吉高由里子）です。
渋谷にいる派手な見た目の、いわゆるギャルです。
彼女は仕事にもつかず、渋谷の街をだらだらとふらつく日々を過ごしています。

ある日、クラブで赤髪にモヒカン、体中に大きな刺青、口や眉など顔中にピアスを開けたアマ（高良健吾）と出会います。

「ねぇ、スプリット・タンって知ってる？」
ルイに問いかけたアマは口を開け、蛇のように先が二つに分かれた舌を見せました。
初めて見るその舌は、器用に煙草を挟んでみせ、ルイの心を動かしました。

ルイはアマと付き合うようになり、アマのスプリット・タンと刺青に興味を持ちます。

舌にピアスを開け、ピアスのサイズを大きくしながらその穴を拡張し、最大まで拡張したその穴に最後糸を通して舌を切る、そうやってスプリット・タンができます。
その話を聞き、ルイは自分自身の体にもスプリット・タンをしたいと思うようになります。

後日、アマと一緒にスプリット・タン、刺青を施術しているお店に行き、そこでシバ（ARATA）と出会います。
シバはアマより強烈な見た目で多くのピアスや刺青を体中にしていました。

この日、ルイは舌にピアスをあけました。
ルイはシバに問いかけます。
「シバさんはスプリット・タンどう思います？」

ある日、ルイが友人と3人で渋谷を歩いているとき暴力団風の男2人に絡まれます。
アマは怒りを自制することができず、その男のひとりを激しく殴ります。
そして、その男の折れた歯をルイに愛の証だと言って渡します。

後日、その男が亡くなったというニュースを目にしたルイは、アマに犯人の特徴と報道された赤い髪を染めさせ、刺青が見えないように長袖を着用するように命じます。

何も知らないアマは何も疑うことなくルイに従います。
大丈夫、大丈夫と言い聞かせながら日常をすごしていきます。

アマやシバと会うようになり、ルイは自分の体にも刺青を施したいと思うようになりました。
刺青のデザインもシバにお願いしていたことから、ルイは度々シバのお店を訪れるようになります。
そこでルイとシバの関係も変化していきます。

その頃、シバのお店に「刺青を入れた客を教えてほしい」と警察から連絡が来ます。

痛みを感じることでしか「生」を感じることができないルイ。
様々な痛みを経験してルイが、最後たどりつく答えとは…。

映画「蛇にピアス」の感想

冒頭は渋谷のスクランブル交差点の映像に何も喋らない静かな時間が流れます。
今から何が始まるのか、あの原作をどう実写化するのか、期待と不安が混ざったような気持ちと映画が重なり、映画「蛇にピアス」の世界に引き込まれます。

最初に衝撃を受けたのは、高良健吾のスプリット・タンや吉高由里子の舌ピアスをあけるシーンが、どこまでが本物でどこからが作りものなのか、分からない程リアルだということです。
初めて見るスプリット・タンは映像としての力が強く、強烈な印象を与えます。

そして何度か出てくる吉高由里子が脱ぐシーン。
これは映画としてセーフなのか、見てはいけないものを見ているのではないかと、女性の私でもどきどきしました（後々調べてみるとR－15指定でした。納得です）。

ここ最近の天真爛漫で笑顔が可愛い印象の吉高由里子とは同じ人物とは思えない、暗くて痛々しい役に彼女の役者としての器量を感じます。

原作が話題になった2004年、私は高校生でした。
若い女の子ふたりが芥川賞を受賞した、というニュースを知り、背伸びして初めて読んだ芥川賞受賞作品。

内容の過激さに、知らなかった暗い物語に、不思議と惹きつけられたことを覚えています。
そして、なんで同世代の子がこんな物語が書けたのだろうと、何とも言えない暗い気持にもなりました。

そして実写映画化となった2008年、私は大学生となり、また改めてこの世界観に惹きこまれました。
映像で見る「蛇にピアス」は、スプリット・タン、舌ピアス、刺青、どの痛みもそのまま見せるのではなく、切なく美しく表現されていたように感じました。

初主演となった吉高由里子、そして高良健吾、ARATAの配役もぴったりはまっていたように思います。
痛々しいシーンや性描写が多く、苦手な人にはおすすめできませんが、個人的には邦画らしい良い作品だと思います。

映画「蛇にピアス」のスタッフ

監督：蜷川幸雄
製作：宇野康秀、長谷川安弘
エグゼクティブプロデューサー：星野有香、森重晃
プロデューサー：梅川治男
製作エグゼクティブ：依田巽
原作：金原ひとみ『蛇にピアス』（集英社刊）
脚本：宮脇卓也、蜷川幸雄
ＣＧプロデューサー：豊嶋勇作
撮影：藤石修
コスチュームデザイン：勝俣淳子
美術：稲垣尚夫
編集：川島章正
音響効果：柴崎憲治、北田雅也
音楽：茂野雅道
主題歌：Chara『きえる』
照明：渡辺三雄
録音：弦巻裕

映画「蛇にピアス」のキャスト

ルイ：吉高由里子
アマ：高良健吾
シバ：ARATA
マキ：あびる優
ユリ：ソニン
今井祐子
綾部守人
市瀬秀和
妹尾正文
市川亀治郎（特別出演）
井手らっきょ（特別出演）
小栗旬（特別出演）
唐沢寿明（特別出演）
藤原竜也（特別出演）

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映画「蛇にピアス」の関連作品

出演：吉高由里子のその他の作品

GANTZ (2010)
監督：佐藤信介
出演：二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子他

探偵はＢＡＲにいる (2011)
監督：橋本一
出演：大泉洋、松田龍平、小雪、吉高由里子他

ヒミズ (2011)
監督：園子温
出演：染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、吉高由里子他

カイジ２～人生奪回ゲーム～ (2011)
監督：佐藤東弥
出演：藤原竜也、伊勢谷友介、吉高由里子他
福本伸行の人気マンガを原作とするシリーズの第2作。
またもや多額の借金によって帝愛の地下強制労働現場に送られた伊藤カイジ。
他の作業員たちから金を集めてカイジは2週間だけ地上に戻り、一発逆転の大勝負に挑むが･･･。