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お互いに強く惹かれ合いながら、それぞれが抱えたもののせいで結ばれない大人の切ない恋を描く映画「マチネの終わりに」

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映画「マチネの終わりに」のあらすじ、スタッフ・キャスト
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映画「マチネの終わりに」の原作小説について
映画「マチネの終わりに」の関連作品
まとめ

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映画「マチネの終わりに」のあらすじ、スタッフ・キャスト

映画「マチネの終わりに」は芥川賞受賞作家である平野啓一郎の小説を原作とする作品で、2019年11月に劇場公開されました。

初対面で恋に落ち、6年間にたった3度しか会っていないにもかかわらず、お互いへの想いを募らせていく大人の恋とその結末を、パリ・ニューヨーク・東京を舞台に描いています。

原作者・平野啓一郎は「マチネの終りに｣について、「自由意志を巡る新しい物語。昔から書かれてきた運命劇を現代的なものにするという試みを行おうと思った｣と語っています。

「真夏の方程式」「昼顔」の西谷弘が監督を手がけ、脚本はTVドラマ「昼顔｣の井上由美子が担当しています。

「マンハント」「ラストレター」の福山雅治、「僕だけがいない街」「記憶にございません！」の石田ゆり子が主演するほか、伊勢谷友介、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行などの実力派キャストが出演しています。

本作では東京、パリ、ニューヨークの美しい街並み、それぞれの都市の日常の光景が情感豊かに映し出されています。

また、登場人物たちの心の動きや感情の変化が、色彩や光や音楽などの映像表現で巧みに表現されています。

福山雅治は本作で初めてクラシックギターを弾いたそうです。
「幸福の硬貨｣のほかに、バッハやブラームスの曲をアレンジしたものを本編の中で実際に弾きこなしています。
福山雅治は本作で天才クラシックギタリストを演じるために、クラシックギターのレッスンを受けました。
撮影前には約半年間、撮影中も毎日練習していたそうです。
福山雅治は「クラシックギターは難しいけど楽しい」と語っています。

本作で重要な要素となる曲「幸福の硬貨｣はTVドラマ「ガリレオ｣シリーズの音楽を担当した菅野祐悟が作曲しています。
「幸福の硬貨｣について菅野祐悟は「簡単ではいけないし、かといって、超人的なテクニックが必要になるものでもいけないので、程よいバランスということに気を使った｣と語っています。

演奏者や演奏者の状態によって音色を変えるクラシックギターの魅力を知った、という観客も少なからずいたようです。

石田ゆり子は海外で活躍するジャーナリスト役ということで、英語やフランス語のセリフに挑戦しています。
しかし、石田ゆり子は英語が苦手で、発音やイントネーションに苦労したそうです。
石田ゆり子は「英語ができるようになりたい」と切望したそうです。

板谷由夏は石田ゆり子とプライベートでも付き合いがあるということで、その親密さが感じられるとの声もありました。

三谷早苗を演じた桜井ユキは、NHKのTVドラマ「だから私は推しました｣「G線上のあなたと私｣での演技で注目されました。

本作には原作小説から設定が変更された箇所がいくつかありますのでご紹介します。

本作は原作での年代設定を公開時期に合わせて変更しています。原作では洋子が取材するのはイラクのバグダッドでの出来事でしたが、映画ではヨーロッパで発生するテロを取材しています。このことにより観客は物語をより身近に感じることができたものと思われます。
原作には登場するのに、映画には登場しないキャラクターがいます。蒔野の友人のギタリストである武知です。小説では彼が蒔野をツアーに誘っています。
原作では洋子は映画監督イエルコ・ソリッチの実の娘でしたが、映画では血のつながりのない義理の娘という設定に変更されています。
小説では、三谷早苗は自分の行動を洋子に明かしませんでしたが、映画では自分から洋子に秘密を打ち明けています。また、原作では洋子と早苗は東京で会って話し合いますが、映画ではニューヨークに赴いた早苗が洋子に伝えます。
社会情勢が反映されているかどうか。原作ではイラク戦争やサブプライムローン問題や東日本大震災などの出来事が登場人物に影響しますが、映画ではパリでのテロ事件以外はあまり取り入れられていません。
蒔野が所属するレコード会社と担当者について変化がある。原作では蒔野のレコード会社は買収されて担当者も変わりますが、映画では最初から最後まで同じ会社と担当者です。
祖父江の状態の違い。原作では蒔野の師匠・祖父江は元気ですが、映画では亡くなっています。
蒔野が長期間演奏を活動を休むことになる理由。原作では蒔野は手足口病に感染して指の爪が剥がれたため休養しますが、映画ではスランプに陥ったため休養します。

「マチネ｣は午前から昼にかけての公演のことをいう舞台用語で、本作では公演が終了する午後3～4時頃と人生の折り返し地点である40歳頃のことを意味しているものと思われます。
福山雅治は「映画の結末は観客が望むものになる｣と語っています。

本作は現在ではあまり使われなくなった35ミリフィルムで撮影されており、アナログな質感の映像が物語の雰囲気にマッチしていると口コミで話題となりました。

この映画のロケ地は、日本と海外の複数の場所で行われました。
日本では、横浜みなとみらいや羽田空港で撮影がありました。
海外では、パリやニューヨークで撮影がありました。
パリでは、レストランやオランジュリー美術館などがロケ地になりました。
ニューヨークでは、大雪の中で撮影が行われました。

福山雅治は「新しい何かを嗅ぎ取った」という言葉で、映画に対する意欲を表現しています。
石田ゆり子は「大人の恋愛を描くことに挑戦した」と述べています。
伊勢谷友介は「自分の役柄に共感できた」と話しています。
桜井ユキは「福山さんと石田さんの関係性が素敵だった」と感想を述べています。
木南晴夏は「自分の役柄に苦労した」と明かしています。
風吹ジュンは「映画の世界観に魅了された」と語っています。

本作の評価は人によって異なりますが、一般的には、音楽や映像の美しさは高く評価されているようです。
一方で、ストーリーや登場人物の感情移入には難があると感じる人も多いようです。

映画「マチネの終わりに」のあらすじ

小峰洋子はパリの通信社で働くジャーナリスト。
祖母の葬儀のために帰国した際、友人の是永慶子から天才的クラシック・ギタリストの蒔野聡史を紹介される。

ふたりは洋子の義父である映画監督のイェルコ・ソリッチの作品「幸福の硬貨」のテーマ曲の話で打ち解ける。
慶子は聡史に、洋子にはすでに婚約者がいることを伝えるが、洋子に惹かれる聡史は「未来によって過去は変えられる」と言う。
聡史の才能に心酔しているマネージャーの三谷早苗は、ふたりの出会いに不安を感じる。

パリに戻った洋子は職場がテロの標的となり、九死に一生を得る。
そんな洋子を心配して聡史は、パリで会うことを提案する。

聡史との再会にときめきを感じる洋子だったが、婚約者のリチャードからプロポーズされたことを隠さずに伝える。
だが聡史は「洋子さんが死んだら僕も死ぬ」と、まっすぐに気持ちを伝える。
自分の想いに応えてくれるならマドリードでのコンサートに来てほしい、と告げる聡史。

だが、同僚がテロによって負傷してしまい、洋子は聡史のコンサートに行くことはできない。
聡史は絶望のあまり、コンサートで演奏を中断してしまう。

後に事情を知った聡史はパリに向かい、洋子と再会する。
洋子と同僚に手作りの料理を振る舞ったり、ギターを演奏したりして元気づける聡史。
そして、ふたりきりになった聡史と洋子はお互いの想いを確かめ合う。

その後、問題を片付けた後で東京に行く、と洋子は聡史に告げる。
洋子が帰国する日、聡史は料理を用意しながら待つが、ギターの師匠である祖父江誠一が脳出血で倒れたとの連絡が入り…。

映画「マチネの終わりに」のスタッフ

監督：西谷弘
製作：石原隆、畠中達郎、市川南、佐渡島庸平
エグゼクティブプロデューサー：臼井裕詞、千葉伸大
プロデューサー：大澤恵、稲葉尚人
脚本：井上由美子
撮影：重森豊太郎
美術：清水剛
編集：山本正明
音響効果：大河原将
音楽：菅野祐悟
照明：中村裕樹
整音：瀬川徹夫
録音：藤丸和徳
ＶＦＸ：田中貴志
クラシックギター監修：福田進一

映画「マチネの終わりに」のキャスト

蒔野聡史／福山雅治
小峰洋子／石田ゆり子
リチャード新藤／伊勢谷友介
三谷早苗／桜井ユキ
中村奏／木南晴夏
小峰信子／風吹ジュン
是永慶子／板谷由夏
祖父江誠一／古谷一行

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映画「マチネの終わりに」の原作小説について

映画「マチネの終わりに」の原作となった小説は、2015年から2016年まで毎日新聞朝刊、そしてnoteで連載され、2016年に毎日新聞出版から単行本が刊行されました。
2019年には文春文庫から文庫版が刊行されています。

2017年には第2回渡辺淳一文学賞を受賞しました。

映画「マチネの終わりに」の関連作品

監督：西谷弘のその他の作品

容疑者Xの献身（2009）
監督：西谷弘
出演：福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、渡辺いっけい、品川祐、真矢みき他

真夏の方程式 (2013)
出演：福山雅治、吉高由里子、北村一輝、杏他
東野圭吾の小説を原作とするTVドラマの劇場版第2弾。
天才物理学者・湯川学が仕事で訪れた静かな海辺の町で異常ななきがらが発見され、警視庁の岸谷美砂は湯川に協力を要請する…。

昼顔 (2017)
出演：上戸彩、斎藤工、伊藤歩他
それぞれに妻と夫がいる男女の不倫愛を描いて話題となったTVドラマの劇場版。
秘密の関係が周囲に知られることとなり一度は別れた北野裕一郎と木下紗和だったが、偶然にも再会してしまったふたりは関係を再燃させ…。

バスカヴィル家の犬　シャーロック劇場版 (2022)
監督：西谷弘
出演：ディーン・フジオカ、岩田剛典、新木優子、椎名桔平他

沈黙のパレード (2022)
監督：西谷弘
出演：福山雅治、柴咲コウ、北村一輝他

出演：福山雅治のその他の作品

るろうに剣心伝説の最期編 (2014)
監督：大友啓史
出演：佐藤健、武井咲、伊勢谷友介、青木崇高、蒼井優、神木隆之介、福山雅治、藤原竜也他

三度目の殺人 (2017)
監督：是枝裕和
出演：福山雅治、広瀬すず、満島真之介他

マンハント (2017)
監督：ジョン・ウー
出演：チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ他
日本映画「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク作品。
身に覚えのない殺人の罪で逃亡を続ける弁護士と彼を追う刑事の姿を描くサスペンス。

ラストレター (2019)
監督：岩井俊二
出演：松たか子、広瀬すず、豊川悦司、福山雅治他
「Love Letter」の岩井俊二が故郷の宮城を舞台に描く恋愛映画。
岸辺野裕里は姉・未咲の死を知らせるために、姉の通っていた学校の同窓会に参加する。
そこで裕里は初恋の相手と再会し、姉のふりをしたまま手紙のやり取りをするようになる…。

出演：石田ゆり子のその他の作品

誰も守ってくれない (2008)
監督：君塚良一
出演：佐藤浩市、志田未来、松田龍平、石田ゆり子他

僕だけがいない街 (2016)
監督：平川雄一朗
出演：藤原竜也、有村架純、石田ゆり子他
アニメも人気となった三部けいのマンガを原作とする作品。
母親の殺害容疑で警察に追われることになった売れない漫画家・藤沼悟。
彼は特殊能力によって小学生時代に戻り、同級生の誘拐殺人事件を防ぐことで未来の母親の事件を防ごうとする…。