映画「ダンケルク」を見た感想(少しネタバレ)

映画「ダンケルク」を見た感想 洋画

このページではクリストファー・ノーラン監督の映画「ダンケルク」を見た感想をお伝えしたいと思います。
なるべく抑えているつもりですがネタバレしてしまっている部分もあるかもしれませんので、まだ見ていないという方はご注意ください。

私は戦争映画がが好きなもので、「ダンケルク」公開時も興味は持っていたのですが、結局、何やかやで映画館に行くことができずに公開時期が過ぎてしまい、そのまま忘れかけていました。

けれど、去年から今年にかけてクリストファー・ノーラン監督の「バットマン」三部作と「インセプション」、そして先日「TENET テネット」を見たもので、「クリストファー・ノーラン監督作品を制覇してみるか」と思い、「ダンケルク」を見てみることにしたのでした。

「ダンケルク」はクリストファー・ノーランらしさを感じる戦争映画

映画「ダンケルク」を見た感想2
(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

そもそも、戦争映画が好きなのに、なぜ映画館に行かなかったのかといえば、「ダンケルクの出来事って、ドイツ軍に敗れたイギリス軍・フランス軍が命からがらフランスから脱出したというもので、あんまり華々しいものではないし、戦争映画としては地味なのでは?」という思いがあったからです。

で今やっと、映画「ダンケルク」を見てまず思ったのは、「巨額な製作費をかけた大作だけど、やっぱり、クリストファー・ノーラン監督らしさを感じる」ということです。
戦争映画って、大部分が実際に起こったことを基にしていますから、あまり”作家性”みたいなものは出しにくい気がするのですが、本作はいわゆる大作戦争映画とははっきりと異なる印象を受けました。

そのひとつとして、有名俳優をほとんど使っておらず、セリフもかなり少ないという特徴があるように思います。

これは有名俳優を使うとどうしてもその人を中心に見てしまうし、セリフでその人物の背景などを説明してしまうと思い入れが生まれるということで、そういうことを避けたいという狙いがあったのではないでしょうか。
英雄を描くというよりは、普通の人々が直面した危機に対してどう行動したのか、をノーラン監督は描きたかったように感じます。

戦闘機のパイロットとか、徴用された遊覧船の船長とかに心を動かされる部分はあるのですが、主人公(と思われる)兵士にはほとんど感情移入できないし、というよりも最後までほかの兵士との見分けがつかない、というのは印象に残りました。

もうひとつの特徴として、敵であるドイツ兵が画面に登場しない、ということがあるように思います。

これも想像ですが、ドイツ兵(=ドイツ人)に対する憎しみの感情を観客に極力持たせないようにしたい、という意図なのではないでしょうか。
日本人はそんなこと思いませんが、イギリス人・フランス人の観客は「ドイツ人め!」と思う人がいたとしてもおかしくはないですからね。

そのほか、「戦争映画にしては登場人物が理性的で冷静」ということも感じました。

例えば、遊覧船の船長が軍に協力する理由が「ドイツが憎いから」ではなく「自分たちの世代が始めた戦争で若者が亡くなっているから」という非常に理性的なものですし、ケネス・ブラナー演じる海軍中佐も感情的なこととか勇ましい事をまったく言わず理性的です。
「そのうちドイツ野郎を魚の餌にしてやる!」くらいのことを言った方が、戦争映画としてはしっくりくるようにも思いますが。

あと、私が本作を見ていて疑問に感じたのは、「30万人とはいえ丸腰に近いような状態の兵士しかいなかったのに、なぜドイツ軍は総攻撃をしなかったのか?」ということです。

これも調べてみると、別の場所でドイツ軍の攻撃を引付けている部隊がいて、彼らは結局、撤退することができずにドイツ軍の捕虜になったようです。
「ダンケルクの撤退」のことを描くのなら、この主力を逃がすために犠牲となった部隊のことも描くべきのように思いますが、そうしなかったのは、やはり、ノーラン監督の配慮なのかもしれませんね。

なぜ「ダンケルク撤退」がテーマに選ばれたのか?

私はなぜ、ノーラン監督が「ダンケルク撤退」をテーマに選んだのかが疑問でしたが、調べてみると「ダンケルクの撤退」というのはイギリス人にとってとても大きな意味を持っているようです。

軍だけでなく民間も協力して30万人もの兵士を無事に連れ帰ったということで大きな自信を得ることになり、このことがドイツとの全面対決を決定づけることになったとのことです。
ですので、映画「ダンケルク」には愛国心的な思いも込められているのかもしれません。

まとめ

クリストファー・ノーラン監督の映画「ダンケルク」は、いわゆる大作戦争映画と比べると穏やかな印象を受けます。

実物のスピットファイア戦闘機を使った空中戦のシーンや実物の駆逐艦を撮影に使うなど、CGに頼らないノーラン監督ならではの見どころもありますが、戦争映画好きな人からすれば物足りないと感じる部分もあるかもしれません。

ただ、「ダンケルク撤退」という史実をテーマに選んだところがノーラン監督らしいところですし、ノーラン監督初の史実を基にした戦争映画ということで、映画ファンなら見ておきたい作品といえるでしょう。

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