TVドラマ『ｉｆもしも』のスペシャル版として製作され、2年後に劇場公開された実写映画「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」
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「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」実写映画のあらすじ、スタッフ・キャスト
1995年公開の岩井俊二監督の恋愛映画です。
小学生の淡い恋と別れを爽やかに、切なく描いています。
もともとはTVドラマとして放送されたもので、TVドラマとして初めて日本映画監督協会新人賞を受賞していた作品です。
岩井俊二監督といえば「Love Letter」が思い浮かびますが、本作は「Love Letter」以前に製作された作品です。
とはいえ、後の岩井俊二監督作品に通じる要素が数多く見られます。
また、本作は当時では比較的珍しいタイムリープ要素があるのも特徴です。
小学生のヒロイン役は、現在も活躍中の奥菜恵さんが演じられています。
本作で視聴者に強い印象を与えた奥菜恵さんは、以後、人気女優としてブレイクすることになります。
２０１７年には、アニメ版映画がリメイク作品として上映されていますが、あくまでもリメイクなので、この２作品のストーリーはところどころ異なっています。
「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」実写映画のあらすじ
海沿いの小さな街に住む小学生の典道は、夏休み期間中の登校日のため学校へ向かう準備をしていました。
夜には花火大会があるため、「ＰＴＡのバザー準備があるから、典道が学校から帰ってきても誰もいないよ」と母親から言われ、「わかった」と言いながら家を出ます。
一方、典道の同級生、なずなも学校へ向かっていました。
典道はなずなのことが好きでした。
それは典道の親友・祐介も同じで、ふたりは友達同士であり、恋のライバルでした。
実はなずなは、両親が離婚し、２学期からは別の土地で新たな生活を始めなければならないことが決まっていました。
家を出る前、母親からその旨を書いた手紙を先生に渡すよう言われます。
なずなは学校へ着くと、母親から託された手紙を、担任の先生に手渡します。
授業が終わると、典道と祐介はプールの掃除当番のため、プールへ向かいます。
ふたりは掃除ついでに遊んでいこうと、水着で出かけます。
プールに到着すると、そこにはなずながいました。
なずなはなぜかプールサイドに横たわり、じっとしています。
祐介がトイレに行っている間に典道がなずなの方へ行くと、彼女の首にアリがついていることに気づき、「アリがいる」と伝えます。
すると、「取って」というなずな。
典道は、内心ドキドキしながらアリを取ると、なずなは「ありがと」と言って典道を見ます。
バツが悪そうにどぎまぎしてしまう典道ですが、祐介にプールで競争しようと言われ、気持ちを切り替えることにします。
ふたりはなずなを審判に、競争することになりました。
なずなの合図で同時に飛び込み、互角の戦いをする両者でしたが、途中のターンで典道が踵を打ってしまい、出遅れます。
その結果、勝負に勝ったのは祐介でした。
プールからあがってきた祐介になずなは、典道に聞こえないように「花火大会にふたりだけで行こうよ」と誘います。
祐介はなずなのことが好きでしたが、いざ２人で花火大会へ行こうとなると、緊張やら恥ずかしさやらで、行けそうにないと思ってしまいます。
その後、典道とプールから帰る途中で、友達の淳一や稔たちが、「花火は横から見るとどう見えるのか」という話で盛り上がっていました。
平べったく見える、丸く見えると議論は白熱し、とうとう、今日の夜、みんなで灯台に登って花火を横から見てみようという話になりました。
祐介はなずなの誘いを蹴って、みんなと花火を見に行こうと決めます。
祐介は自宅である安曇医院に寄らずに典道の家に向かいました。
自宅にはなずなが来てしまうからです。
しかし、行けない、ということをなずなに伝えなければという思いから、典道に、「行けなくなってしまったと伝えてほしい」と伝え、典道に安曇医院に向かわせます。
なずなは安曇医院で祐介を待っていました。
しかし、そこへ来たのは典道。
彼から祐介が来ないことを知らされると、帰ろうとするなずな。
「プールで勝った方を誘おうと思っていた」と知らされた典道は、どうしてあの時自分が勝たなかったんだろうと悔やみます。
「なぜ自分が勝てなかったんだ…」と典道が強く思ったその時、突然、典道はプールサイドにいました。
時間が巻き戻っていたのです。
過去の通り、典道と祐介はプールで競争をする流れになり、典道は今度こそ祐介に勝利し、なずなに花火大会に誘われます。
しかし、いざ誘われてみると、やはり恥ずかしくて行けない、と思ってしまい、典道もなずなの誘いを断ろうとしてしまいます。
が、どうしようか悩んでいるうちに、なずなが家まで迎えに来てしまいます。
なずなは大きなスーツケースを持ってきており、このまま典道と駆け落ちをしようと考えているのだと言います。
驚く典道でしたが、言われるがままなずなとバスに乗り込みます。
なずなは浴衣から普通の服に着替えると、「もう少し大人に見えるようになったら水商売をして、典道くんを養ってあげる」と言います。
しかし、電車に乗ろうとしたところで、なずなは思い直したのか再び引き返し、またバスに乗ることにします。
少し肩透かしをくらった典道でしたが、２人はそのまま学校のプールへ向かい、服を着たまま飛び込んで水遊びをします。
なずなは「花火って横からみると平べったいのかな」と尋ねます。
祐介は男子の友達と花火を横から見るために合流していました。
典道が抜け駆けしたのが悔しい祐介は、なずなへの想いを大声で叫びます。
友達も全員好きな子の名前を叫んでいました。
一方、なずなは典道に、「２学期も楽しみだね」と笑います。
典道はなずなの両親が離婚していることを知らないので、そのセリフが嘘であることを知るのはもう少しあとのことでした。
ふたりはそのまま帰路へつきます。
帰り道、典道は担任の三浦先生に会いました。
花火は横から見るとどうなるのか、というなずなに聞いた疑問を先生に伝えます。
すると先生は花火師を紹介してくれました。
その花火師は、「今から打ち上げてみるから見てごらん」と言いました。
花火は下から見ても、横から見ても、丸かったのです。
「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」実写映画のスタッフ
監督：岩井俊二
企画：小牧次郎、石原隆
プロデューサー：原田泉
脚本：岩井俊二
撮影：金谷宏二
美術：柘植万知
衣裳：高橋智加江
編集：茶圓一郎
音楽：ＲＥＭＥＤＩＯＳ
照明：隅田浩行
「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」実写映画のキャスト
ノリミチ：山崎裕太
ナズナ：奥菜恵
ユウスケ：反田孝幸
ジュンイチ：小橋賢児
カズヒロ：ランディ・ヘブンス
ミノル：桜木研人
ナズナの母：石井苗子
ノリミチの母：深浦加奈子
ノリミチの父：山崎一
ユウスケの父：田口トモロヲ
受付の看護婦：中島陽子
三浦先生：麻木久仁子
同僚の教師：光石研
マコト：小山励基
ヤスさん：酒井敏也
おでん屋：こばやしふしまさ
おでん屋の客：蛭子能収
「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」実写映画の関連作品
打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？ (2017)
監督：新房昭之
声の出演：広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子他
菅田将暉、広瀬すず等、豪華俳優陣が声優を務めたことでも話題になった、今作のアニメ版リメイク作品です。
基本的な流れは同じようになっていますが、基本設定が中学生になっている等、リメイクならではの違いも楽しめる作品です。
監督：岩井俊二のその他の作品
Love Letter (1995)
監督：岩井俊二
出演：中山美穂、豊川悦司、酒井美紀他
岩井監督の映画初監督作品です。
岩井ファンにとってなくてはならない作品です。
繊細なタッチで描かれる恋愛模様は、初監督作品とは思えぬ完成度の高さです。
四月物語 (1998)
監督：岩井俊二
出演：松たか子、田辺誠一、留美他
北海道で育った楡野卯月は東京の大学に入学し、ひとり暮らしを始める。
東京生活開始早々、卯月はとある書店を訪れ…。
リリイ・シュシュのすべて (2001)
監督：岩井俊二
出演：市原隼人、忍成修吾、伊藤歩、大沢たかお、稲森いずみ他
花とアリス (2004)
監督：岩井俊二
出演：鈴木杏、蒼井優、郭智博他
同じバレエ教室に通う親友のアリスとハナ。
同じ高校に入学したふたりは先輩の男子生徒・宮本を巡って三角関係となってしまい…。
ラストレター (2019)
出演：松たか子、広瀬すず、森七菜、豊川悦司、中山美穂、神木隆之介、福山雅治他
名作の呼び声高い「Love Letter」のアンサー映画だと監督が語る作品。
高校時代の憧れの人・乙坂鏡史郎に、ひょんなことから亡くなった姉と間違われた岸辺野裕里は、鏡史郎と手紙のやり取りをすることになり…。
出演：奥菜恵のその他の作品
犬鳴村 (2019)
監督：清水崇
出演：三吉彩花、坂東龍汰、奥菜恵、高島礼子他
実在する心霊スポット”旧犬鳴トンネル”についての都市伝説をもとにしたホラー作品。
臨床心理士の森口奏は、自らの周りで多発する不可解な現象がすべて旧犬鳴トンネルに関わることに気付き…。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
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