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DCコミックの人気ヴィランであるハーレイ・クインがクズ男の悪党を相手に暴れまくる「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」

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「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」のあらすじ、スタッフ・キャスト

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」はアメリカのDCコミックスを原作とする作品で、DCコミックスの映画化作品を同じ世界観のシリーズとみなす「DCエクステンデッド・ユニバース」の8作目となります。
アメリカでは2020年2月に、日本では2020年3月に劇場公開されました。

本作は「スーサイド・スクワッド」の続編ではなく、スピンオフという位置付けとなっています。
「スーサイド・スクワッド」をすでに見ている人はもちろんのこと、まだ見ていない人も充分に楽しめる作品となっています。

2019年、大きな話題となった「ジョーカー」と同じく、アメコミを原作とする作品ながら、現在でも世界のいたる所で根強く残る男性社会という社会問題を取り入れたストーリーが特徴です。
また、登場キャラのほとんどは、超能力を持っていない普通の人間というのも特徴となっています

監督2作目となるキャシー・ヤンが監督を務めており、キャシー・ヤンはアメコミヒーロー映画を監督した初のアジア人女性となりました。
彼女は中国出身で、「Dead Pigs」という短編映画でサンダンス映画祭で注目されました。
本作では、女性の視点からアクションやコメディを展開しています。また、R指定となったことで、暴力や言葉遣いなどに制約がなくなりました。

主演は「スーサイド・スクワッド」に続いてハーレイ・クインを演じるマーゴット・ロビーで、本作ではプロデューサーも務めており、本作のキャラクター造形には彼女の考えが反映されているといわれています。

マーゴット・ロビーは「ハーレイ・クインには友達が必要。だから、単独の主人公という形ではなく、仲間と協力するような女ギャング映画にしたかった」と語っています。

本作はマーゴット・ロビーをはじめとして、監督のキャシー・ヤン、脚本のクリスティーナ・ホドソン、そして、本作に使われた音楽はすべて女性ミュージシャンによるもので、女性スタッフを中心として製作されました。

この映画の製作には、さまざまな困難や変更がありました。
例えば、当初は「Gotham City Sirens」というタイトルで、ポイズン・アイビーやキャットウーマンなどが登場する予定でしたが、後に変更されました。
また、撮影後に大幅な再撮影が行われたという噂もあります。

しかし、この映画は批評家や観客から好評を得ました。
特に、マーゴット・ロビーのハーレイ・クインの魅力や、女性たちのキャラクター造形やアクションシーンが評価されました。
一方で、興行収入は期待を下回る結果となりました。
その原因としては、コロナウイルスの影響やR指定による観客層の限定などが挙げられています。

本作のアクションシーンは、ほとんどスタントマンを使わず出演者自身が演じており、そのようなアクションシーンは、「ジョン・ウィック」のチャド・スタエルスキと「アトミック・ブロンド」のデヴィッド・リーチが設立したスタント会社「87 eleven Action Design」によって作り上げられています。

この映画のロケ地は、主にアメリカ合衆国のカリフォルニア州で行われました。
ゴッサムシティの街並みや遊園地のシーンは、ロサンゼルスのダウンタウンやハリウッドにあるスタジオで撮影されました。
また、ハーレイ・クインが住んでいた中華料理屋のシーンは、ロサンゼルスのチャイナタウンで撮影されました。
その他にも、サンタクラリタやロングビーチなどの場所で撮影が行われました。

この映画は、カラフルでポップな映像が特徴的ですが、それは実際のロケ地にも反映されています。
例えば、ハーレイ・クインがジョーカーと別れたことを宣言するために爆破したエース・ケミカルズ社の工場は、ロサンゼルス郊外にある実在の工場を使用していますが、その外壁には鮮やかなグラフィティが描かれています。
また、遊園地のシーンでは、様々なアトラクションやキャラクターが登場しますが、それらはほとんどがセットやCGで作られたものです。

原作コミックのひとつである「Birds of Prey」は、DCコミックスの女性キャラクターによるチームを描いた作品ですが、ハーレイ・クインはヴィランであるため参加していません。

本作で、ハーレイがこれまでに体験した別れを回想するシーンでは、過去に付き合った女性としてポイズン・アイビーにそっくりな女性が登場しています。
ポイズン・アイビーはアメコミ「バットマン」に登場する植物を操るヴィランであり、コミックではハーレイとポイズンは恋愛関係となったこともありました。

ハーレイが飼っているハイエナの名前”ブルース”は、バットマンの正体であるブルース・ウェインからとられています。
また、実際のハイエナは非常に凶暴で危険なので、本編では犬にCG加工をしてハイエナに見せています。

ブラックマスクに囚われたハーレイが見る幻想シーンは、マリリン・モンロー主演映画「紳士は金髪がお好き」へのオマージュといわれています。
ハリウッドの男社会で、男性が望むイメージを演じ続けたマリリン・モンローと自分の現在を重ね合わせていると解釈できます。

映画のタイトルにある「Birds of Prey」というのは、DCコミックスの女性ヒーローチームで、このチームは、1996年にチャック・ディクソンとゲイリー・フランクによって創造されました。
チームのメンバーは、オラクル(バーバラ・ゴードン)、ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)、ハントレス(ヘレナ・バーティネリ)などが有名です。

しかし、映画では、このチームの結成はハーレイ・クインの活躍によって引き起こされます。
ハーレイ・クインは、もともとジョーカーの彼女で、彼の犯罪に加担していた悪女です。
彼女は、1992年にポール・ディニとブルース・ティムによって創造されました。
彼女は、バットマンやジャスティス・リーグと敵対することが多く、バーズ・オブ・プレイとは直接関係がありませんでした。

本作は、ハーレイ・クインがジョーカーと縁を切り、自分の居場所を探す物語になっています。
彼女は、ブラックマスクという犯罪王に狙われる少女カサンドラ・ケインを助けるために、ブラックキャナリー、ハントレス、レニー・モントーヤと協力します。
この4人は、原作コミックではそれぞれ別々のキャラクターであり、映画のような関係にはなっていませんでした。

また、映画では、ブラックマスクやザーズという悪役が登場しますが、これらのキャラクターも原作コミックとは異なります。
ブラックマスクは、1985年にダグ・メンチとトム・マンドレイクによって創造されました。
彼は、顔に黒い仮面をつけたサディストであり、バットマンやロビンと敵対していました。
ザーズは、1992年にアラン・グラントとノーマン・ブレイフォーグルによって創造されました。
彼は、自分が命を奪った人間の人数を体中に刻むサイコパスであり、バットマンやナイトウィングと敵対していました。

映画では、これらのキャラクターの設定や性格が変更されています。
ブラックマスクは、自分の顔を隠すためではなく、気分で仮面をつけるナルシストになっています。
ザーズは、ブラックマスクの部下であり、彼に忠誠を誓っています。
また、彼らはバーズ・オブ・プレイと直接対決することはありませんでした。

本作のラストシーンでは原作コミックでの姿を思わせる各キャラクターが登場するという、アメコミファンへのサービスもあります。

そして、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンが監督を務める「ザ・スーサイド・スクワッド」にもハーレイ・クインは登場しています。

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」のあらすじ

ゴッサムシティの裏社会で恐れられるジョーカーと別れたハーレイ・クインは、これまでジョーカーを恐れて彼女の好き勝手なふるまいを見逃してきた悪党たち、そして、ゴッサム市警のレニー・モントーヤ刑事からマークされることとなる。

懸命に悪党たちの手から逃れようとするハーレイだったが、ついに、ゴッサムシティの裏社会で大きな力を持つブラックマスク/ローマン・シオニスによって囚われの身となってしまう。

ハーレイはローマンとその部下のビクター・ザーズの会話から、ローマンがかつて抗争によって壊滅したマフィア・バーティネリ家のダイヤを探していることを知る。

そのダイヤにはバーティネリ家の膨大な資産の隠し場所が記録されており、ダイヤをザーズに手にれさせたローマンだったが、スリの少女であるカサンドラ・ケインによってダイヤは盗まれ、現在、カサンドラは警察に捕えられているのだった。

ハーレイはカサンドラからダイヤを取り戻す代わりに、自分を解放することをローマンに要求。
夜の12時までにダイヤを持って来ることを条件に、ローマンはハーレイの拘束を解く。

ハーレイはカサンドラを確保しようとする他の悪党たちを出し抜いて、ゴッサム市警からカサンドラを救い出す。
だが、カサンドラはダイヤを飲み込んでしまっていた。

仕方なくハーレイは、情報屋のドクが経営するチャイニーズレストランの2階にある隠れ家にカサンドラを連れて行き、下剤を飲ませてダイヤを回収しようとする。

その後、マフィアを葬り続けているハントレス/ヘレナ・バーティネリのほか、多数の悪党がドクにハーレイの隠れ家を教えるように迫る。

やむを得ず、ドクが隠れ家の場所を明かしてしまったため、悪党たちが隠れ家を襲撃。
なんとか、カサンドラとともに隠れ家を脱出したハーレイは、遊園地でカサンドラの身柄を引き渡すとローマンに連絡。

カサンドラをトイレに閉じ込めアトラクションに潜むハーレイの前に、市警を停職処分になったレニーが現れ、ふたりは格闘を始める。

一方、ザーズ、そしてローマンのバーの歌手であるブラックキャナリー/ダイナ・ランスはカサンドラを発見。
ザーズは警察に通じていたダイナに、カサンドラの腹を切り裂いてダイヤを取り出すことを命じる。

ダイナが拒否し争いとなったところにヘレナが駆け付け、ザーズに向けてクロスボウを放ちザーズは絶命。
ヘレナはバーティネリ家の生き残りであり、ザーズはバーティネリ家の人々の命を奪ったマフィアの最後のひとりだった。

やがて、遊園地はローマン配下の悪党たちによって包囲され…。

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」の感想

ハーレイ・クインを映画で見るのは、「スーサイド・スクワッド」に続いて二度目でした。
見終わってまず思ったのは、「ハーレイ・クインがずいぶんと人間らしくなったな」ということです。

「スーサイド・スクワッド」では、ハーレイ・クインの”狂気”がクローズアップされていて、そこが作品のポイントであり笑いどころでもあったように思います。

そもそも原作のDCコミックスでは、ハーレイ・クインは恋人のジョーカーありきの存在のようです。
なので、本作でジョーカーと別れてしまったハーレイ・クインを描くというのは大胆なチャレンジだと思いました。

本作からは「女性は男に頼らずに強く生きるべき」というメッセージが強く感じられます。
製作に関わっている主演のマーゴット・ロビーをはじめ、主要スタッフはほぼ女性が担当しているというのもその現れなのでしょう。

「女性は男に頼らずに生きるべき」という考え方については、私はまったく異論はないのですが、ただ本作の場合、その考えの表現として「男は敵」という方向に向かっているのがちょっと残念な気もします。
まあ、本作でハーレイたちの敵となる男たちはまったく同情の余地のない悪人なんですが。

そして、本作を見て印象に残ったことにアクションシーンがあります。
特に武器を使わない素手での格闘シーンが妙にリアルに感じました。

女刑事・モントーヤ、そして歌手のダイナ・ランスの格闘シーンは、動きのスピード自体は速くないのですが、キックやパンチを実際に相手に当てているような重さを感じました。

多くのアクションシーンをスタントマンによる吹き替えではなく、出演者自身が演じているということなので、もしかするとリアルさを追求するという意味で本当に当てている可能性もあります。
まあ、相手はプロのスタントマンでしょうから、多少当たっても大丈夫だとは思いますが。

あと、本作で強い印象を与えるのは、やはりユアン・マクレガーでしょう。
ユアン・マクレガーの悪役、しかもゲイの役というのは珍しいのではないでしょうか。

演技力の高い人なのですごく存在感はあるのですが、どうもアメコミ映画の悪役という感じがしません。

彼が演じたブラックマスクというキャラが、一般的なアメコミ映画の悪役というよりも、精神的な弱さを持ったキャラなので、ユアン・マクレガーが演じるのには自然なキャラなんですが、いかんせん、ユアン・マクレガーはヒーロー的なイメージが強いので・・・。

ただ、ユアン・マクレガーのファンにとっては、貴重な悪役なので是非見ていただきたいと思います。

ハーレイ・クインが所属するチーム「スーサイド・スクワッド」を描く新作映画は、続編ではなくリブート作品として製作されるようです。
本作でかなり人間くさくなったハーレイ・クインがどのようなキャラとして登場するのかが楽しみです。

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」のスタッフ

監督:キャシー・ヤン
製作:マーゴット・ロビー、ブライアン・アンケレス、スー・クロール
製作総指揮:ウォルター・ハマダ、ゲイレン・ヴェイスマン、ジェフ・ジョンズ、ハンス・リッター、デヴィッド・エアー
脚本:クリスティーナ・ホドソン
撮影:マシュー・リバティーク
プロダクションデザイン:K・K・バレット
衣装デザイン:エリン・ベナッチ
編集:ジェイ・キャシディ、エヴァン・シフ
音楽:ダニエル・ペンバートン

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」のキャスト※()内は日本語吹き替え版キャスト

ハーレイ・クイン:マーゴット・ロビー(東條加那子)
ハントレス:メアリー・エリザベス・ウィンステッド(鷄冠井美智子)
ブラックキャナリー:ジャーニー・スモレット=ベル(村中知)
レニー・モントーヤ:ロージー・ペレス(高乃麗)
ビクター・ザーズ:クリス・メッシーナ(姫野惠二)
カサンドラ・ケイン:エラ・ジェイ・バスコ(花澤香菜)
エレン・イー:アリ・ウォン(野一祐子)
ブラックマスク:ユアン・マクレガー(森川智之)
パトリック・エリクソン警部:スティーヴン・ウィリアムズ(斎藤志郎)
ドク:ダナ・リー(佐々木省三)
ミスター・キオ:フランソワ・チャウ(東和良)
ティム・マンロー:デレク・ウィルソン(綿貫竜之介)
ハッピー:マット・ウィリグ(櫛田泰道)
エリカ・マンソン:ボヤナ・ノヴァコヴィッチ(渡辺広子)

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まとめ

いかがでしたでしょうか。
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