映画「ドリームキャッチャー」を見た感想(ネタバレあり)

映画「ドリームキャッチャー」感想1 洋画

このページでは映画「ドリームキャッチャー」を見た感想をお伝えしたいと思います。
ネタバレしている部分もありますが、公開からかなり時間が経っているということでご容赦いただければと思います。

映画「ドリームキャッチャー」の概要とあらすじ

まず、この作品のこと自体、知らない方も少なからずおられるかと思うので、作品の概要とあらすじなどを簡単にお伝えしておきたいと思います。

本作は、スティーヴン・キングの小説を原作とする作品です。
監督は「再会の時」「偶然の旅行者」を監督し、「スター・ウォーズ エピソード5・6・7」の脚本を執筆したローレンス・カスダンです。

そして、モーガン・フリーマンをはじめ、同じくキング原作の「ミスト」に主演しているトーマス・ジェーンなどが出演しています。

ジョンジー、ヘンリー、ピート、ビーバーの4人は子供の頃からの友達で、今でも頻繁に連絡を取り合う間柄。
彼らは子供の頃、いじめられていた知的障害者のダディッツという少年を助けるが、ダディッツと付き合ううちに4人にはそれぞれ不思議な能力がいつの間にか備わっていた。
大人になった4人はダディッツと疎遠になっていたが、定期的にメイン州の森に集まり狩りをする事になっていた。
今年も4人は森の中にある小屋に集まり思い出話に花を咲かせた後、狩りに出かけるが・・・、というストーリーです。

映画「ドリームキャッチャー」はカオス

WarnerBros./Photofest/ゲッティイメージズ

見終わってまず感じたことは、「何?このカオス」でした。
この映画を一言で表現するなら「カオス」という言葉がぴったり当てはまる気がします。

そもそも、なぜこの作品を見ようと思ったのかというと、ぼーっとU-NEXTの配信作品リストを見ていた時にタイトルが目に留まり、「そういえば、昔、映画秘宝で見かけたな」と思い出したのがきっかけです。
見てみると、まさに映画秘宝が好きそうな映画でした。

冒頭部分では、「あれ、この間見た『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』みたい」と感じていました(本作には「IT/イット」の舞台であるデリーも出てきます。4人組のグループの中にお調子者のメガネくんがいることも同じです)。

で、4人は不良にいじめられているダディッツを助けますが、このシチュエーションも「IT/イット」にありました。

※この後にネタバレがありますので、本作を未見の方はご注意ください!
さて現在、4人が狩りをしていると雪の森で遭難しかけていた男を見つけて助けます。
この男は実は、怪物に寄生されていて、小屋のトイレの中で男の肛門から怪物が出現します。

同じ頃、軍の部隊が登場。
ここで、「もしかして『ミスト』?」と身構えます。

この部隊の指揮官であるアブラハム・カーティス大佐を演じるのがモーガン・フリーマンで、モーガン・フリーマンがこれまで演じてきた役のイメージから「いい人」と思いきや、実は、頭のネジが2、3本外れている人で、「よくこんな役引き受けたな!」と思わされます。

そしてこの後、怪物の正体があっさり「宇宙人」だと明かされます。
「宇宙人???」とこちらが混乱していると、カーティス大佐はヘリで出撃。

5機くらいのヘリで雲霞のような宇宙人をジェノサイドし巨大な宇宙船も爆発しますが、爆発に巻き込まれカーティス大佐の部下も亡くなってしまいます。

「あれ?宇宙人弱い・・・」と戸惑っていると、陣地に戻ったカーティス大佐は「宇宙人の病原菌に感染した住民を全員処分する」という恐ろしいことを言い出します(宇宙人の病原菌に感染すると赤い湿疹のようなものができ、陣地には感染した住民が多数集められています)。

さらに混沌とする物語

一方、4人組のうち、ピートとビーバーは怪物や宇宙人にやられて亡くなり、ジョンジーは宇宙人に体を乗っ取られてしまいます。

ジョンジーの体を乗っ取った宇宙人は、怪物の幼虫みたいなものを水道に流して人類を滅ぼそうとします。
巨大宇宙船を作る技術があるのに随分アナログな計画です。

その計画を阻止するため、ヘンリーは特殊能力でカーティス大佐の部下であるオーウェン・アンダーヒルを味方に付け、ジョンジーの体を乗っ取った宇宙人を追います。
この時点でいろいろな要素が多過ぎで、頭の整理が追いつかない状態です。

ジョンジーを追いかけながらヘンリーは、「そうか!ダディッツはこのことを予言していたんだ!」と気づきますが、見ている方としてはダディッツは回想シーンに登場するだけなので、「なるほど!見事な伏線回収だ」とは思えません。

そして、ヘンリーはジョンジー(本物)と連絡を取ろうとします。
どうやるのかと思いきや、オーウェンからピストルを借り、おもむろにピストルに向かって話しかけます。
すると、「記憶倉庫」という心の中の場所にいるジョンジーと話ができてしまうのです。

ピストルに向かって真剣な表情で話しかけるヘンリーと、その様子を見守るオーウェンの何ともいえない表情はこの作品の最高の笑い所です。
「ごっつええ感じ」のコントかと思いました。

その後、ヘンリーは故郷に戻って病に冒されたダディッツを連れ出し、ジョンジーの体を乗っ取った宇宙人と対決するのですが、このクライマックスでも観客を混乱させる衝撃の展開があります。
私は言葉を失ってしまいましたが、興味のある方は実際に見て確かめていただきたいと思います。

スティーヴン・キング原作映画は数あれど

いろいろ突っ込みを入れてきましたが、スティーヴン・キング原作の映画って、80年代から数多く作られてきて、その中に名作といわれるものが何本もあるというのはまぎれもない事実ですし、すごいことです。

けれど、数が多いゆえに、時には本作のような作品もできてしまうのでしょう。
私もかなりの数のキング原作の映画を見たと思うのですが、本作は「何じゃこりゃ?」と思わざるをえません。

もしも、キング原作の映画をまったく見たことのない人が本作を見たら、まるで意味が分からないのではないかと思います。

ちなみにキング自身は本作のことを「私の小説の映画化作品の中で最高の出来だ」と言って気に入っているそうです。
うーん、やっぱりキングって変な人なんですね。

まとめ

多分、本作は原作を尊重しつつ2時間程度の映画にまとめようとしたせいで(小説の日本版は4冊に分かれています)、期せずして変てこな映画になってしまったのではないかと思われます。

でも、私は本作のように、そのつもりがないのになぜかバカ映画になってしまった映画が嫌いではありません。

スティーヴン・キングの世界が好きな人、そして、バカ映画が好きな人にはぜひ見ていただきたい作品です。

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